市民活動って何?

 旭川市では多くの市民が、自主的・自発的に個人で、またはボランティア団体やNPO団体、生涯学習団体等を組織して、保健・医療・福祉の増進、学術・文化・芸術・スポーツの振興、環境課題への対応、まちづくりの推進、子どもの健全育成など多様な活動を展開しています。

 また、地域においては、地域住民で構成する町内会、町内会相互の連携・調整を行う地区市民委員会などの住民組織や各種の地域団体があり、住民の主体的な活動によって、地域の連帯性を強め、住み良い豊かな地域づくり、まちづくりに取り組んでいます。

 このため、旭川市では、市民が自主的、自発的に参加する活動を積極的に生かしながら、市民と行政とが一体となって市民主体のまちづくりを推進していくことを目的に、「旭川市市民活動基本方針」を平成18年6月に策定しました。

 平成18年度からスタートした第7次旭川市総合計画においても、多様化、複雑化する市民ニーズに十分に対応するために、企業、NPO法人、ボランティア及び地域の団体などが公共的サービスを担う必要性を述べており、まちづくりは、主役である市民が行政と適切に役割分担しながら取り組んでいくことが求められています。
 そして、市民と行政とがそれぞれの役割を尊重し合いながら、豊かなまちづくりの実現に向けて取り組むためには、市民活動の特徴を十分に生かしていく必要があります。

 まちづくりを進めるにあたって、今後、市民活動に期待されることには、次のようなものがあります。

◇市民自治の確立に向けて

 これまでのまちづくりにおいて、市民と行政との関係は、市民の自発的な活動に行政が協力する、あるいは、行政活動に市民が参加するという考え方が中心となっていました。
 市民活動とは、自らが自主的に特定の目的のために、または地域の課題を解決しようとする市民の主体的なまちづくりの活動です。
 これからのまちづくりにおいては、こうした市民活動の持っている自己決定、自己解決能力を最大限に尊重して生かしていくことが大切であり、市民、地域、行政、または企業などがそれぞれに連携を図りながら、様々な課題に取り組んでいくことが将来のまちづくりの力となります。

◇地域コミュニティの活性化に向けて

 地域コミュニティにおいては、課題解決に取り組む主体として、これからも町内会、地区市民委員会、その他の地域団体が重要な役割を担うことに変わりはなく、こうした団体自らが、構成員である市民の個々の考え方を尊重しながら、主体的に地域のまちづくりに関わっていく必要があります。
 さらに、多くの地域コミュニティに共通するような課題については、地域の枠組みにとらわれない専門性、先駆性を備え持つNPO法人やボランティア団体などが、町内会、地区市民委員会等と連携を図りながら、解決に向けて取り組んでいくことが期待されています。
 そして、こうした地域の課題に関わる人が増えることで、新たなネットワークが生まれ、地域に対する関心が高まり、共同体の意識が芽生え、地域コミュニティの活性化につながっていきます。

◇新たな生きがいの創出に向けて

 市民活動は不特定多数の公共的利益のための活動ではありますが、活動の意義は必ずしもそれだけではありません。
 特に個人のボランティア活動などは、人のために役立ちたいとか、自分自身が成長をしたいとか、人間関係の幅を広げたいとかなど、新たな生きがいをもって社会参加するという意味も持っています。
 このことは、人々がこれまで培ってきた自分の経験や能力を発揮することや、これから社会に対して貢献していこうという意欲を生かすことが期待できるものです。

 市民活動は、まちづくりの大きな力になると考えられています。これからは今まで以上に市民が自主的、自発的に参加する活動を積極的に生かしながら、市民と行政とが一体となって市民主体のまちづくりを推進していく必要があるといえます。